「オランダでワーキングホリデーをしてみたいけど、費用や条件がよく分からない」——そんな方に向けて、実際にオランダに移住して生活している筆者が、制度の基本から費用の目安、申請の流れまでまとめて解説します。
そもそもオランダのワーキングホリデーとは?

オランダワーホリは、日本とオランダの間で結ばれた文化交流協定に基づいた制度で2020年4月1日から始まった比較的新しい制度です。
オランダのワーキングホリデービザを取得することで、18歳から30歳までの若者が、最長1年間オランダに滞在しながら、就労・就学・旅行を自由に組み合わせて過ごせるのが特徴です。
オーストラリアやカナダのワーホリと違い、日本人の受け入れ人数が年間200名程度と少なく、知名度もまだそこまで高くないため、「穴場」のワーホリ先として近年じわじわ注目されています。
オランダワーホリの制度概要
- 対象年齢:18歳〜30歳
- 滞在期間:最長1年
- 年間受入人数:先着200名
- 主な活動:就労・就学・旅行の自由な組み合わせ
オランダワーホリの応募条件

年齢制限
申請時点で18歳以上30歳以下であることが条件です。31歳の誕生日を迎える前に手続きを完了させる必要があるため、年齢制限ギリギリの方は早めの準備をおすすめします。
年齢のカウント方法は年度や制度改定によって変わる可能性があるため、応募直前には必ずIND(オランダ移民帰化局)や大使館の最新情報を確認しましょう。
国籍・過去の利用歴などの条件
- 日本国籍を保有していること(永住者や特別な在留資格のみでは対象外になる場合があります)
- 扶養している子どもを同伴しないこと
- 医療保険・健康保険に加入していること
- 滞在中の生活費や帰国用の航空券を賄えるだけの資金があること
オランダワーホリの魅力

ヨーロッパ旅行がたくさんできる
オランダは地理的にヨーロッパのほぼ中心に位置しており、フランス・ドイツ・ベルギーなど近隣国への移動が電車や格安航空券で気軽にできます。滞在中に周辺国を巡る旅行がしやすいのは大きな魅力です。
なかでも、オランダ国内最大の空港であるスキポール国際空港はヨーロッパ屈指のハブ空港として機能しており、世界90カ国以上と直行便で結ばれています。
また、オランダの南東部にあるアイントホーフェン国際空港はLCC(格安航空会社)の拠点となっており、Ryanair(ライアンエアー)やTransavia(トランサヴィア)、Wizz Air(ウィズエアー)など、多数の格安航空会社が乗り入れています。
アムステルダムからアイントホーフェン空港までは、電車で1時間30分ほどで行けるのでアクセスも良好です!
英語が通じやすい
公用語はオランダ語ですが、オランダの人々は英語が非常に得意で、日常生活・病院・行政手続きなど多くの場面を英語でカバーできます。語学力に不安がある方でも生活しやすい環境です。
その背景として、オランダ語は英語ととても近い言語の一つで、にほ日本語に比べてスペルや発音、文法も似ているため圧倒的に言語習得コストが低いのです。
また、小学生から実践的な英語の教育が行われており、大学でも多くの授業が英語で開講されたりしています。
海外感をしっかり感じられる
- 日本人が少ない
オーストラリアやカナダの人気都市に比べると日本人ワーホリ留学生が少なく、より「海外にいる」実感を得やすい環境です。
- 古い街並みが残っている
アムステルダムの運河沿いに並ぶ街並みは、主に17世紀オランダが最も繁栄した時期に建てられた商人の家です。
オランダは地震などの大きな災害が起こらないため、レンガ作りの古い家屋が残り続けています。
また、第二次世界大戦中オランダ南部のロッテルダムはドイツ軍の激しい爆撃で旧市街のほぼ全てが焼けてしまいましたが、アムステルダムは爆撃を免れたため、古い街並みが奇跡的に残っています。
移住がしやすい
ワーホリでの滞在経験をきっかけに、フリーランスビザや就労ビザへの切り替えを検討する人もいます。制度としての移行のしやすさも、オランダワーホリが選ばれる理由の一つです。
フリーランスビザに切り替えてから5年以上滞在すると永住権を申請することができます。永住権を申請する際にはオランダ語とオランダ社会に関する知識を証明する試験に合格する必要があります。
ワーキングホリデービザで滞在した1年間は永住権取得時の滞在期間としては認められないため、注意が必要です。
オランダワーホリにかかる費用

オランダは西ヨーロッパの中でも物価が高めの国のため、他の人気ワーホリ国(オーストラリア・カナダなど)と比べると必要な費用感はやや高くなる傾向があります。目的や生活スタイルに応じて、大きく3段階の予算感で考えるのがおすすめです。
| 項目 | 必要最低限モデル | バランス型モデル | 絶対安心モデル |
|---|---|---|---|
| 航空券(片道) | 中国乗継 約65,000円 | 経由便約100,000円 | 直行便 約250,000円 |
| 海外保険(12ヶ月) | ケアコンセプト等 最安値プラン 約40,000円 | 日本 or 海外の少し手厚いプラン 約90,000円 | 日本の大手保険 充実プラン 約180,000円 |
| ビザ申請料 | 約10,000円 | 約10,000円 | 約10,000円 |
| パスポート発給費 | 約16,000円 | 約16,000円 | 約16,000円 |
| 残高証明用の資金目安 | 約450,000円 ※残高証明と住居初期費用を合算 |
約300,000円 | 約500,000円 |
| 住居初期費用(家賃) | 個室3ヶ月分 約420,000円 | 個室5ヶ月分 約700,000円 | |
| 語学学校費用 | なし | なし | 3ヶ月コース 約200,000円 |
| 生活準備品・SIM等 | 約30,000円 | 約50,000円 | 約100,000円 |
| 予備費 | なし | 約50,000円 | 約150,000円 |
| 合計目安 | 約61万円 | 約104万円 | 約201万円 |
必要な最低金額
最低金額プランでは少なくとも60万円ほどは必要になります。
また、渡航後すぐに仕事を始める必要があるため、住居の確保やビザの手続きなどを最短で終わらせなければいけません。
ただ、オランダでは住民登録できる家を契約しないと働き始めることができないため、日本出国前に家が決まっているか、エージェントなどを介して最速で家を見つけられる人でないと難しいシビアなプランです。
バランスの取れた金額
最低限の費用に加えて、余裕を持った生活費・保険料・多少の旅行費用を含めた、無理のない滞在を目指す方向けの予算です。
渡航後余裕を持って家探しや生活の基盤作りができるような金額で、すぐに働かなくても問題がない金額が100万円前後ではないでしょうか。
あったら安心な金額
急な出費や、家探しが長引いた場合の追加滞在費、語学学校の費用なども見込んだ、安心して滞在できる予算ラインです。
また、家賃の予算を少しオーバーしてもアルバイトをすれば問題なく暮らしていける予算は200万円ほどを見込むと良いでしょう。
オランダワーホリ申請の流れ【全体像】

オランダワーホリの申請は、大きく分けて「日本での事前登録」と「オランダ入国後の本申請」の2段階です。
- 情報収集・条件確認:年齢・資金・保険などの条件を満たしているか確認
- メールでの事前登録:IND(オランダ移民帰化局)宛てに、氏名・生年月日・パスポート情報などを送付
- 事前登録の可否通知:登録後、一定期間内に可否の連絡が届く
- 渡航準備:航空券・保険・住居の目処など、渡航に向けた準備を進める
- オランダへ入国
- 本申請(居住許可申請):入国後、定められた期間内に現地で申請
- 居住許可の取得:許可が下りればワーホリ生活がスタート
オランダワーホリ渡航後準備リスト

現地に到着してから生活を軌道に乗せるまでに必要な主な準備は以下の通りです。それぞれ詳細は個別記事で解説しています。
- 住居探し:ルームシェア・アパート探しのコツ
- 銀行口座の開設
- BSN(市民サービス番号)の取得
- 保険の見直し・加入
- 携帯電話・SIMの契約
オランダワーホリの注意点

募集人数が少なめ
年間の受入枠に上限があるため、希望時期に申請できない・枠が埋まってしまうリスクがあります。最新の募集状況は早めにチェックしておきましょう。
家が見つかりにくい
近年オランダでは、経済成長に伴い、移民の増加や留学生の流入が相次ぎ慢性的な住宅不足が発生しています。
また、オランダの国土のほとんどが軟弱な湿地帯、干拓地であり家を建てるにも大きなコストがかかります。
郊外には新しい建物も建ててはいるものの、日本のように手軽に住める価格帯の住宅は都市部であればあるほど見つけることは難しいでしょう。
物価が高い
西ヨーロッパの中でも生活費が高めの国の一つです。例えば、ガソリンは1リットル約400円、電気やガス代などのエネルギー価格、外食なども日本に比べて2倍近くかかります。
外食をすると高くつきますが、パンやパスタなどの小麦製品はスーパーマーケットで安く手に入れることができます。
例えばクロワッサンは4つで1ユーロとパンを主食に、自炊をすれば費用を抑えて生活することは十分に可能です。
まとめ

オランダワーホリは、ヨーロッパならではの旅行のしやすさや英語の通じやすさ、そして「まだ知る人ぞ知る」穴場感が魅力の制度です。一方で、募集枠の少なさや家探しの難しさなど、事前準備が結果を左右する部分も多くあります。
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